相原豊のサッカー裏海外日記

でさ、タイとかアフリカとか暑いところにいたんだから平気でしょ？
なんて思うかもしれない。
でもさ、40℃の国にいようが何処にいようが暑さになれることなんてねえから。

15倍の辛さのカレーも50倍の辛さのカレーも辛いことにゃ変わりない。

で、ボクの過去の海外生活。
タイ人、ベンガル人の極少数、ウガンダ人とお友達は豊富だったのね。
で、奴ら男同士でも手をつなぐんだよね。特にベンガル人。

ウガンダ人のマイコーと道路を横断する時、”よし今だ！”とか言ってボクの手を握って、道を渡ってくれるのよ。
いや、違うよ。彼はそっちの人間じゃないよ。ちゃんと奥さんいるし、2，3人の彼女もいるし、かなり女好きだからね。


ま、それもどうかと思うけど。


でね、ベンガル人なんて道路を渡るとか関係なく、結構手をつないで来るんだよ。話しながら喋ってるとどんどん近づいてくるし。歩きづれえったらありゃしないよ。



・・・それはそうとタイのオカマともよく手をつないだなぁ。


あのね、タイのオカマってタイ人女性よりちゃんと女性なの。無駄毛処理とか完璧だし、仕草も弱弱しい女性だったり。
でも、手は男のソレなんだよ。手をつながれてると視覚からは女性、でも繋いだ手からの触覚からは男。

足の薬指を触ってる感が否めないさ。
今、どうなってるんだろう？みたいな。



ほいでね、男性同士でこの手をつなぐという行動。
ボクはしたくないの。そりゃ女の子とだったら諸手を挙げて賛成さ。地球の温度だってあげちゃうさ。
でも男同士でそれは嫌だ。
特に相手がベンガル人ならもっと嫌だ。
完全に指を絡めた恋人つなぎだし。
でもちょっとした文化になっちゃってるし、あまり露骨に断れないから最初は手をつないでしまうんだよ。


そこからボクの駆け引きが始まる。
まずは頭を掻くフリして手を解く。
その後すぐ捕まる。
あっちの方とか言って指差す隙に手を解く。
またまた捕まる。
手を叩いて笑う。
捕まる。
汗を拭う。
捕殺。

歩いてる最中の会話なんて何も実らねえさ。



バングラデシュのチームで契約が出来てからのお話。

いつもどおり給料の未払いが続いてマネージャーからは毎日毎日”明日払う”と言われてたのよ。
そんなマネージャー2人がたまに練習を見に来るのよ。そんな時もお決まりの会話。

”給料くれ。”
”明日”


日常会話で一番多いのって挨拶だと思ってたけどこの国ではコレ。ムカつき通り越して笑えてくるんだよ。


奴らは練習途中で事務所に戻るんだけどその時の後姿が辛いねぇ。
ベンガル人特有の、多少の油を含んだ黒髪で、襟足は一直線の後頭部。
そんな後姿の、完全におっさんな2人が恋人つなぎで手をつないで帰っていくんだよね。


あの時、ボクはチームを去ろうと思ってしまった。