11.29.07:24
[PR]
12.19.10:07
罰則 ~ウガンダ~
最近、練習がつらくなってきた。
と、いうのもそれをやったところでどうするって言う練習メニューなんだよね。
ま、そんなことは最初から覚悟してたわけだからイイとして、問題はペナルティ。
紅白戦っぽいことをやるんだけど点を入れられると腕立て伏せや腹筋をやらされるのね。
そこまではいいよ。別に筋トレ嫌いじゃないし。
つらいのが点を取ったチームの選手をおんぶして走る、お姫様抱っこで走るとかのペナルティ。
コレはきつい。
肉体的にじゃないよ。
あのね、Kajansi FCってチームはビンボーチームなの。
チーム分けのゼッケンなんて持っていますが数が足りません。 ヘタすりゃ1チーム分のゼッケンすら足りてねえの。
もう、持ってる意味ねえじゃん、って感じ。
だから片方のチームは上半身裸なの。
もう、お気づき?
そんな奴をおんぶすると汗まみれの体がぴったりと纏わりつくの。
で、タチの悪いのが、おんぶをするにしてもされるにしてもピッタリくっついて気分が悪いの。
むしろ点を取って自分が背中に乗ったときの方がつらいかも。
こんなこと言っちゃ悪いけど・・・
臭いんだよね・・・
前からの香りが真後ろにやってくるの。
ワキガ率が識字率より高いかと思われるこのお国。
もうね、練習着の貸し借りなんてNG中のNG。チーム分けのために自分の練習着を着られた日にぁあ無理やりファーストキスを奪われた乙女のように全てを洗いまくりますよ。
そんなこんなで上半身裸チームが相手のときは点が取れるチャンスがくるとね、ボク自身がもの凄~いピンチになるワケよ。
・・・多分この国に来てシュートが下手になったと思う。
12.17.11:38
紅白戦② ~バングラデシュ~
本日も朝からフィジカル。
バレないようにニコニコ顔の日本語で、”こんなに走らすなよ糞コーチが。”って言いながらの取り組み。
いや、別に腐ってるわけじゃないよ。むしろ前向きな取り組みだよ。
たださ、朝、起きてその15分後には霧がかってゴールが見えないグランドを必死に走れるかって話よ。景気づけに文句の一つでも言わなきゃ走れんよ。
2時間半ほどのフィジカルの後はようやくお食事とその後の癒しタイム。
食後の昼寝タイムが1人になる唯一のチャンス。
疲れた体に甘いもんは染みますな。
屋台で10円のチョコとスナック菓子を買って、用具係の吉田と一休を携え、お菓子を恵みながらの雑誌を読む。
ちなみに吉田と一休はベンガル人の子供ね。
なぜか胸に”吉田”と書いてる学校ジャージを着ている奴とマンガ”一休さん”にそっくりな奴をボクはそのままそう呼んでたの。
お菓子でボクの洗濯とかしてくれるから可愛いもんだよ。
たまにボクの癒され雑誌タイムに”歌を歌ってくれ”とか言ってきたらゲンコツくれてやれば黙るし。
そんな癒しタイムの後はまたまた紅白戦。
どうやらトレーニングメニューも底をついてきたらしい。
今までいい流れだから本日も・・・
人生ってちょっとしたきっかけで歯車が狂うもんなんですね。
その日のゲームは3タッチゲーム。
2タッチではなく3タッチ。この辺の理由がよく分からなかったんだけど後になって理由は解明される。
基本的にボクは2タッチゲームは好きなのね。ダイレクトや2タッチでボールを回して出すスルーパスは美しさこの上ないから。
でもさ、この国の2(3)タッチゲームは別格だった。
繋がんねーのよ。
なんだろ?遠くに飛ばせばいいと思ってんのかな?
だから3タッチにしたんだろうね・・・
終いにゃドリブルし始める奴も出始める始末。
それに連られてみんな3タッチを無視し始めるんだよね。
おっしゃ。
だったらボクだって突破してやろうじゃないか。
ピーーーーー!!!(監督の笛)
監督:”ヘイッ、ユタカ!2タッチ、2タッチ。”
・・・
・・・
この年でこんなこと言いたかないけど、コレって贔屓じゃないですか。
ボクが外人だから、外人はルールを守れってことかな?
まあ百歩譲ってアリとしよう。だけどさ・・・
つい今しがたドリブルこいてた奴が、”ユタカ、このゲームは3タッチだぞ。”って言うのは納得がいかねえ。
チームメイトじゃなければぜってえ殴ってるよ。
この日からかな。
またまた雲行きが怪しくなってきたのは。
12.16.12:13
紅白戦 ~バングラデシュ~
http://yutaka14.blog.shinobi.jp/Entry/90/
朝から晩までカレーとベンガル人。寄ってくるわ寄ってくるわでうざったくてしょうがねえ。
その割に、サッカーをやるとプレッシャーは甘いのよ。
嗚呼、面倒くせえ。
ボクがベジータなら気を放出して一瞬でこいつらを消してやるよ。
よく日本人同士で話してたの。
”もし拳銃に球が一発入ってて、誰かを撃っても罪にならないなら撃つかどうか?”
何もない国だからそりゃあ妄想だらけになるよね。
ボクは当時即答したよ。
”罪になっても撃ちます。”
さて、そんな生活でもサッカーをやってるときだけは真摯な気持ちでいれるワケで。純粋に結果を出すことを追い求めて必死に走って。見てくれはスラムだけどサッカーへの態度はスリムだったと思う。
嗚呼、つまんねーこと言っちゃった。
一生懸命やれば結果って付いてくるもんなのかね。
いや、きっと違うな。
周りのレベルが低かったんだと思う。
いよいよな紅白戦。
ボクはサイドの中盤をやらせてもらったのよ。自分でも惚れ惚れするスルーパスも決まりまして、突破も決まりまして、アシストも決まりまして。
チームメイトのボクへの目が違ってきたの。
紅白戦もラスト数分。
朝から走りっぱなしの午後の紅白戦。
しかも紅白戦の前にはフィジカル入ってるし、この紅白戦は45分なんてもんじゃなく時間で言うと永遠だったの。
その疲れきったラスト数分。
正確に言うと日没までラスト数分。
”ラスト1点”
コーチの声が響いた。
だけどみんなに力は残ってないの。驚くほどの間延びしたゲーム。そこを救ったのはボク、YUTAKA。
このチーム初のゴーーーール!!!
疲れてたけど気持ち良かったよ。
神様からのプレゼントだね。拉致生活でも腐らなかったボクへの。
ゲーム後、ただでさえ寄ってくるベンガル人のチームメイト。
今日は更に寄ってくるわ。
ゴメン、明らかに嫌そうな顔をしちゃった。
そんな顔を見て奴ら。
”ワット?”
流石に当時の日本の事とか知らないからそれがウェンツと徹平じゃないことは分かかるよね。
英語の出来ない奴らがボクの様子を聞いてきたんだと思う。
”たった今、君たちのせいで気分が悪くなった。”
危なく出かかったこの言葉を、カレースープと一緒に飲み込みました。
この人だかりも神様のプレゼントかしら・・・
12.14.11:08
飲み会と少年サッカー
忘年会の季節だね。
昔からサッカーの好きなボクは、翼君を経て、ペレ、マラドーナ、ベッケンバウアーに至り、デコやロナウジーニョやらも尊敬してるのね。
そんなボクだけど今は1番ウコンを尊敬しておるのよ。
彼を起用すると次の日が違うね。199円であのプレーはかなりお買い得だね。
さてさて、そんな飲み会だけども、飲み会の後にラーメンを食うってどう思う?
ボクはダメだね。一緒に飲んだことのある人は存じてると思うけど、ラーメンを食う余裕があるなら最初の飲み会で力を使い切ろうよって言いたいの。
試合で手を抜いて試合後のフィジカルをがんばってどうすんだよ。
ボクにゃあ無理だね。
だってラーメン啜ろうとしたら喉がむせちゃうもん。飲みの席で喋りすぎたせいだ。
でね、少年指導なんてもんをやってるでしょ。
小学生の場合体力面やら何やらを考慮して20分ハーフなのね。
なんで1日に3試合もやるのよ?
合計で120分じゃん。大人より多いぞ。
だったら20分ハーフ(40分)で疲れきって死ぬほど頑張れよ。なんかペース配分してるみたいでイヤなんだよね。
Jリーグも入れ替え戦とかは、勿論なんだけど必死じゃん。
いや、最初からそのくらいやろうよって思う。
もうちょっと最初からガッツリ戦うことを覚えたほうがいいんじゃないかな。
*2次会に関しては延長戦なので。
12.12.10:05
一時帰国その後 ~タイ~
この言葉を聞いて安心して日本に帰ったボク。
タイ人に頼まれたエロ本をスーツケースに詰め込みいざタイへ。ちょうどその頃成田空港では、アメリカのテロの影響でスーツケースチェックをやられたのよ。
チェックのおっさんがスーツケースを開けたとたん、満開でエロ本が・・・
おっさんとボクの無言の数秒。
ボクはある意味テロリストであったね。でも、貢献するタイプのテロだったのね。許してもらっちゃった。
タイについて、チームメイトにエロ本を贈呈してボクの株はますます上がったの。なんなら点を取った時より株が上がったよ。”オッホー”とか言って大喜びよ。
いい事って続くものね。
その日の練習試合に1ゴール。マネージャーにも誉れをいただいたのよ。
あの時は全てがうまくいってたよ。
ってゆーか、そう思ってたよ。
チームスタッフのウワンとビザの話をするまで。
なんかね、”ダーイ、ダーイ”(出来る、出来る)とか言ってたウワンの野郎。話してるとなんか話がかみ合わないのよ。
あれ?コイツ、ビザの取り方知らねえんじゃねえの?
”不安”
この言葉がタイ生活のキーワード。
”麻痺”
この言葉が乗り越えるコツ。
やべーよ。
油断して観光ビザすら取ってこなかったよ。
いやだよ。
カンボジアへのバスの旅は。
そしてガーナ人のベンジャミンの言葉がボクを突き落とす。
”アイツ、何も知らねーよ。”
終わった・・・
この絶望はフリーザを怒らせた時くらいかな。
ホント終わったと思った。
でもね、ガーナ人のベンジャミンが言うの。
”俺もビザを作るから一緒に何とかしてやるよ。”
タイ人の彼女がいるベンジャミンは去年もプレーをしてて、ビザ経験があるから何とか出来るって言ってたのよ。その彼女も協力してくれるってさ。
カカロットが助けに来てくれたよ。
良かった。ホントに良かった。
すげーよベンジャミン。
ビザを何とか出来るなんて。黒人のたくましさを初めて実感したよ。
しかももっとすげーのが、アイツ、その時すでに60日ほどオーバーステイしてやがったの。
黒いから分かんないけど顔色一つ変えないで生活してたもんな。
そのベンジャミンがボクに言うのよ。
”お前の家、練習場から遠くて交通費がかかるから、俺のアパートに空き部屋があるから来いよ。”
早速、引っ越すことになるんだよ。
マントンタイニーでのボクのティグちゃんとの生活もここで終わるのかと思うと、愛しさと切なさと心強さが・・・
3日後からタイで初の一人暮らしが始まる。