12.01.21:07
[PR]
12.10.09:23
一時帰国 ~タイ~
前にも言ったけどチームの見る目が変わったのよ。
ボクをチームに紹介してくれたベスのお父さんがボクに言うのよ。
”ユタカおめでとう!契約してもらえるってコーチが言ってたぞ。”
すげえ嬉しかったよ。
けど、ここはタイランド。油断して契約破棄とか何があるか分からないからサインをするまでは油断はできないよ。例の企業の大型の内定取り消しだってボクは文句言わないさ。
でも、この契約してもらえるって言葉は嬉しかったよ。
そして次の日、チームのフロントも”契約しよう”って言ってくれたんだよ。
ただでさえ浮かれポンチのボクが一層浮かれポンチになったのよ。
その夜は飲んだよ。
ナガタ、オーウェン、J、フォン、ヌン、そしてティグちゃん。
いつものみんなで飲んだよ。
エム?
あれ以来さっぱりよ。
そして、それから数日後。
1週間ほどチームが休みになったのよ。
やることないしボクは日本に一時帰国することにしたのよ。
でね、ボクが契約してお給料を貰うってなると”就労ビザ”ってのが必要なわけ。で、それをもらうにはタイ国外のタイ大使館で、何とかビザ(忘れちゃった)を取ってタイで切り替えるみたいな感じなのね。
正確に言うと切り替えるって表現は正しくなくって、ややこしい手続きが必要なんだけどね。
で、就労ビザを獲得すると1年ほどの滞在ビザのスタンプを押してもらえるのよ。
流れ的には分かってるんだけど、正しい表現かどうかは知らんよ。
最初はタイ語やら英語やらで色々交渉してたから正式な名称が分からないし。
とにかくこの一時帰国にかまけて、そのなんとかビザってのを貰いに行こうと思ったのよ。
ってチームに言ったのね。
”日本帰るから、就労ビザを取るための書類を頂戴。”って。
このなんとかビザを取るのには所属している団体の書類が必要なの。
ボクがまずかった。
その頂戴を、ピー・ウワンに言ったのよ。
ピー・ウワン(あだ名)、日本語に訳すとおデブさん。
”マイアオ、マイアオ。マイペンライ。”
(要らない要らない、大丈夫だよ。)
その時は契約に浮かれて気付かなかったんだよ。
このタイ人特有の大丈夫じゃない人が言う大丈夫。
そのなんとかビザがなくても就労ビザを下してくれるって言うから信じちゃったのよ。
契約出来ても、本当の戦いはこれからだったようだ。
12.06.12:15
2nd・・・Ⅱ ~ウガンダ~
その日もいつもの風景、いつもの顔ぶれ、そしていつものフィジカル。
馬跳びならぬ仁王様飛びに心身ともに疲れております。
仁王様なんて跳び越えたらきっと罰が当たるよね。
思ったとおり。
ハイ、筋肉痛。
でももっと厳しい罰が当たったの。
その日の夜中にね、なんか熱っぽいなぁなんて思って熱測ってみたら38度もありやがんの。平熱の低いボクにはとても辛いね。こんな値、最新型のスカウターじゃなきゃ出ないよね。
おまけに気を抜いたら吐いちゃったし。
ま、ま、まさか・・・またマラリアですか。
マラリアって熱が上がったり下がったりっていう症状なんだよね。心の中で色々考えるのよ。
マラリアかな?この前食った焼肉、ほぼ生だったから中ったのかな?どっちがボクにとっていいんだろう・・・
そんなこんなで朝起きてみると、熱が下がってるのね。
今日の夜にもう一度熱が出たらたぶんマラリアだから、そしたら明日病院行けばいいかなんて思ってたらのね
・・・次の日、土曜日か。病院休んでるかもしれないな。
ってことで病院へ。もしマラリアだったら早く治してもらいたいじゃん。だってチームにアピールしなきゃいけないじゃん。契約出来るって言われたからって、まだITCの問題で試合に出れてないんだし。
だから注射を打ってもらうことにしたのよ。
で、検査。
”結果が出るまでそこの椅子に座って待ってて”だって。
あのー・・・
これ車椅子なんですけど・・・
これに座ってるボクの様はまるで末期ですよ。
でね、待ってる間にマラリアにかかった子供が注射を打たれてるんだけどさ、もう殺されるんじゃないかってくらい騒ぐ騒ぐ。そんなに騒ぐとボクも怖くなっちゃうじゃない。
で、結果。
あっ、マラリアですね。簡単に言われちゃった。
注射打つか?に対してあの子供の泣き方にビビッたボク。
”あっ錠剤でお願いします”
またあの薬飲むのか。
マラリア2回。携帯も2回パクられるし。なんだこのローテーションの速さは。
ええっ!?、今日も井川が投げるんですか!?みたいな。
このペースでいくとあと何回かかればいいんだろう・・・
初めて不安を感じたウガンダ生活。
12.03.13:40
2nd・・・ ~ウガンダ~
ウガンダは本日も快晴。
絶好のサッカー日和よ。
んなワケねーよ。
晴れりゃあちーし、フィジカル中心のトレーニングがやたら辛えし。挙句、飲み水はねえし。
と、思ってたところに恵みの雨が。
この恵みの雨、いい事だらけなんだよ。
涼しくなるし、体に張り付いた塩は流されるし、たくましくなったボクはその雨水を飲めるし。
ホントいい事だらけよ。
ってこの恵みの雨に喜びをこいてたのよ。
・・・ま、発想は完全に古代ですが。
雨に感謝、雨に感謝。
と、練習中のチームメイトがぞろぞろと荷物の方へ。
そっか、鞄を外に出しっぱなしだったね。
みんなでグランド脇にあるの民家の倉庫に荷物を置かせてもらったのよ。
やっぱり恵みの雨。
この荷物移動で多少の体力回復が出来たよ。
ゴメンね。日本で嫌ってて。もっと雨のこと好きになろうって思ったね。
練習が終わって、雨水をほおばり喉を潤す。
日本人から見たら何やってんだ。
ボクの感覚じゃ仕事の後の1杯。
着替えて、時間を見ようと時計代わりの携帯を見て驚き。
ってゆーか見ることが出来ない。
なんでって?
携帯がないの。
また携帯が盗まれてるの。
グランドから目の届かない倉庫に置いてたからだ・・・
ボクがお世話になってた人に”またパクられました。”って町の電話屋さんから電話したのね。そしたら、ちょうどその頃その人は、DVD『着信アリ』を見てたところで、”こんな映画見てたところに、急に電話が鳴ってビビったよ。”ですって。
もっと怖い。
『携帯ナシ』
しかも2。
金のないボクがまた携帯を買わなきゃいけないのかと思うと怖くて怖くて。
日本じゃ、”着信ナシ”という自分の人気に震えてたけど。
携帯って怖いやね。
雨のせいで、荷物移動。
雨のせいで、携帯を盗まれる。
雨のせいで・・・
ボクにとって恵みの雨だと思ってたけど、本当は犯人にとっての恵みの雨だったんだね。
12.02.10:45
水 ~ウガンダ~
コレがあるとどこ行ってもなんとかなるもんよ。
ボクの自己分析によると、ボクは選手としての技術はそんなにないと思う。けど、スピード、メンタルは高いと思う。
なによりボクが特出してるのはこの順応性ってやつだと思う。
この裏海外生活。
ネックになるのがココよね。その国のサッカーに合うかどうかなんて2の次よ。まずはこの国に順応できるかどうかだね。
・水がない練習中に2時間のフィジカルトレーニングに耐えれるか?(in赤道直下)
・グランドの要所要所に落ちている牛フンを無かったものにできるか?
・スラム街でご飯を食べれるか?
・マラリアに耐えれるか?
・2日に1回の停電、ロウソク生活に耐えれるか?
その他、色々と耐えなきゃいけないことはあるんだよ。
でね、Kajansi FCの練習は水がねえのよ。
走りまくって強い日差し。もう体には塩が張り付いてるのよ。
でもね、水がない。
井上陽水の”傘がない”なんて全然困んねえよ。むしろ浴びちゃえよ。
ワタクシ、ウガンダに来てほんの数か月。
生水を飲めるようになりました・・・
そして・・・
雨水も飲めるようになりました。
傘がない。
大いに結構。
飲める水があるんだから・・・
コレがボクの順応性・・・
あるが故のウガンダ生活。
11.30.18:43
ウガンダサッカー事情
その時は、チャンスに貪欲だとかチャンスを与える受け皿が広いなんて話をしたんだけど、ボクの中で当時のサッカー事情ってゆーか、あのフィジカルトレーニングの量に驚いたのも強力な思いでかな。
ユタカ、走りに行くぞ!!!
なんて言って、写真を撮ってるこの練習場から、左上の薄く見える山まで走らされたからね。
いやぁ、登った後の見晴らしのいい事。
って言ってる場合じゃねえよ。
降りなきゃいけねえんだぞ。しかも日が暮れる前に。
他にも地味なところで言うと、馬跳びの馬を仁王立ちにして仁王様飛びをやってみたり4対4(人数)の紅白戦やったり・・・
走ったね。ホンットに走ったよ。
元々、フィジカルが強いといわれてる彼ら。
そんな奴らがこんだけトレーニングするんだよ。
みんな試合前から疲れが残ってて、気力勝負だったね・・・
計算できねえ。
ま、グランドの到着時間だって計算できねえからね。
試合の20分前到着・・・
どうすんだアップ?
歌って踊って終~了~・・・
これをこなしてきた日本人がこの国のサッカーに馴染めるワケがねえっつーのっ!