01.29.03:05
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07.11.10:41
新聞 ~ウガンダ~
KCCの紅白戦やら練習試合が始まってしばらく。
日に日にユタカは干されてます。試合のたびに端っこの個人練習組に参加になってしまった。
サポーターはロバートにやたら怒りをぶつけてくれるんだけどね。所詮サポーター、ボクが試合に出ることはほとんどなかったよ。結果は出してたはずなのになぁ・・・
やっぱ”金くれ”を断ったからかね。
でも、そんな中に一筋の光が。
練習会場に行くのに、みんなで町の真ん中に集まってチームのバスで練習に向かうのね。
で、いつも通り時間通りに来ないバスを、町中にあふれてるコウノトリと一緒に待ってたら、知らん奴がボクに寄ってきたのよ。
”お前、KCCに入ったんだろ?”
おっ、ちょっと有名になってきたじゃん。
な~んて思ってたら、近づいてきた奴の右手にはニュースペーパーが。その新聞にはボクが載ってるじゃないの。
【KCC日本人獲得】みたいなこと書いてあんのね。
現地語で書かれてるから実際は現地人に読んでもらってたんだけどね。
・・・まだ契約してないし干されてるのに。
でも嬉しいもんだね。
1面全体の右下の部分にこう小さく載ってたんだけど、ピックアップされて記事を書いてもらうなんて嬉しいもんだよ。
そういえば練習中に1度、記者さんがボクのところにきたんだよね。名前とか色々聞かれてさ。
”AIHARA YUTAKA”ってちゃんと言ったのに新聞では”AJARA YUTAKA”ってなんとなくイスラムチックな名前に書き換えられてたけど・・・
そしてその日、二筋目の光が。
ロバート解任。
リーグが始まる前になんと解任ですよ。
ってゆーか元々、用具係だったらしいけど監督が来ないからコーチに立候補しちゃったんだって。
・・・嗚呼、素敵だね、アフリカって。
そしてやってきたはアフリカの強豪、エジプトの『アル・アハリ』でプレーしていたというキャリアを持つ男、”マヤンジャ・ジャクソン”。完全にウガンダ人。
ダウンタウンがコントで黒人を演じる時に使う名前っぽいそのマヤンジャ・ジャクソンの口癖は”モアパワー、モアパワー!”。
更なるフィジカルトレーニングがボクを待っていた。
07.07.11:30
紅白戦 ~ウガンダ~
走って飛んで、飛んでは走って。
そんな生活に光明の光が。
とうとう紅白戦やら練習試合が舞い込んできたよ。
まずは紅白戦。
”お前は何番だ?”コーチのロバートが言うのよ。向こうは各ポジションの事を番号で呼ぶの。でも、ボクはそんなことは知らないのね。背番号の事かと思って”14だよ。”って言ったら”ベンチでいいのか?”だって。
あぶねえ、そんな理由でベンチスタートはいただけねえ。
さすがKCCはビッグクラブとあって練習の時からサポーターが結構見に来るのね。って言っても走ってるボク等の姿を見て何がおもしろいのか分らないけど。
でも、そのお陰でボクはそこら辺でちょっと知られてきたのよ。”なんか白いのがKCCに入ったらしい”って。
で、紅白戦が始まるとみんなボクの名前を呼んでくれるのよ。
”TAKA! TAKA!!”って。
・・・悲しいことに、韓国人として認知されてたけど。
パク・チ・ソンのせいです。
さて、紅白戦も始まり、自分で言うのも体キレてます。サイドハーフで出場。始まってすぐにスルーパスを出したのよ。そしたらサポーターがすげえ盛り上がるもんだから気分がよくなってちょっと魅せる技とか出しっちゃって。
紅白戦なのになんか異様な盛り上がりなのよ。ボクは一気にKCCでサポーターの人気を獲得したの。
その後、フィジカルトレーニングとテストマッチを何度か繰り返し、チームメイトやコーチの信頼も得て、先発出場出来るようになって、アシストも重ねていったの。
そんなある日、ロバートが練習前にボクを呼び出してこっそり言うのよ。
”うちの母親が体調悪いんだ。お金をくれないか。”
・・・どうやらこの国の”母親”はすぐに体を壊すらしい。
ボクはキッパリ断ったの。
ボクは日本人だけどお金を持ってない日本人なんだよ。
くそっ!
チクショー!!
次の日から試合に出れなくなった・・・
この日からボクの氷河期が始まる。
07.03.12:41
はじめましてKCC ~ウガンダ~
なんかよく分からんKCCってチームのサテライト的なところで練習参加してたけど、ようやく本物のKCCの練習に参加できたよ。
グランドに連れて行かれてコーチのロバートを紹介してもらった。もの凄くカバに似たロバートはボクと優しく握手。
”チルンジ オクサンガ(初めまして)。ンゼ エリンニャ リャンゲーゼ TAKA(ボクはタカって言います。)”
*外国でボクはタカって名前になってます。
これだけ覚えたっていう、ルガンダ語の挨拶にロバートはとっても気を良くしたようで、”しゃべれるのか?”なんてニコニコしながらボクの手を放そうとはしなかった。
彼がイケメン、ボクが乙女なら嬉しいんだろうけど、そこはロバート。東洋人にニコニコ詰め寄る黒いカバ、そんな絵面は汚すぎる。頭をかくフリして握手を引き離したよ。
さてさて練習開始。
さっそく紅白戦開始。中盤でゲームメイクをして、バンバンスルーパスを放り込んで、時には自分で切れ込んじゃって点も取っちゃった!!!
・・・なんて妄想をしながら、ひたすらフィジカルトレーニング。
フィジカルトレーニングやったけどなんかスゲエ疲れるんだよね。
ウガンダは1000mっていう高地にあるから心なしか疲れが早い気がするんだけど、それは栄養が足りてないことだと気付くのにそう時間はかからなかったよ。
練習開始とか言ってるけどウガンダも最初はフィジカルトレーニングばっかりだよ。事情を聞くと、オフ開けってのもあるんだけど、去年の監督がケニア人だったらしいんだけど自分のお国に帰って、シーズンが始まってるのに戻って来ねえらしい。
後で身をもって知ったけど、こんなのはよくあることなんだ。日本のコンビニの数くらいこんな事はよくあるの。
で、ロバートは指導という言葉とコーチという言葉が繋がっているとは思ってない男らしく、ひたすらグランドを右往左往、時には斜めに走らすのよ。
あ、そうそう。重たく書くと辛くなるからサラッと書かせてもらうけど、この国の練習の特徴としてはね・・・基本的に水がない。
カラッカラですよ、身も心も。
水もなく、ひたすら2時間走ったね。
ようやく、ようやくボールが出てきた。フィジカルトレーニングでアピールって難しいのよ。やっとボールでボクの技術をアピールできると思ったら、ボールを蹴ってそれを追っかけるってもんだった。
犬です。
完全に犬です。
犬は楽しくやってるんだろうけど、こっちは苦しさ以外に感情が見当たらないよ。唯一このトレーニングが報われるのは、こうやってネタにして笑ってもらうくらいかな。
たった今、報われました。
長い長いフィジカルトレーニングが終わって大の字になって固まってるボクにチームメイトのボンゴレが寄ってきて、”大丈夫か?”なんて言って親切にスパイクの紐を解いてくれたの。
黒人好きだな。基本的に優しい良い奴らなんだよ。ノリだって最高だし。
で、ボクの靴ひもを解いたボンゴレ。
Thank you! お礼を言うボク。
ボンゴレ一言。
”良い靴だな。くれ。”
・・・
・・・
さっきの優しいって言葉、返せ。
でも、ストレートすぎて逆に笑えるよね。
程無くしてボンゴレはボクのよき理解者になっていったよ。
07.02.23:10
書こうと思ったけど
”牛肉を使い回ししてたらしいよ・”
ですって。
贅沢言うなよ。
食うもんあるだけ幸せよ。
虫を食ってたウガンダ生活に比べれば・・・
と、言ったところで共感を得られるとは思ってません。
みんな日本人だし。
でね、ちょっと思ったの。
こそこそ使いまわすからいけないと思うんだよ。
思い切ってメニューに書いちゃえばどうよ?
”使い回し和牛 〇〇円”
”使い回しの盛り合わせ △△円”
そのかわり、元の値段の半額とかにして。
いい素材を安く食べたいボクらヒラ庶民は、ちょっとお高いお店に足を運ぶチャンスよ。
ダメかな?
明日からまたちゃんとサッカーのお話します。
おやすみなさい。
06.30.12:02
試練 ~バングラデシュ~
現地ビッグクラブのモハマダンFCでテスト生。
チームの監督は韓国人。母国から選手を2名連れてきてる。
こんな状況。
韓国人の監督からしてみれば、日本人選手なんて知ったこっちゃねえって話よ。外国人枠ってもんがある中、既に外国人は監督が連れてきてるわけだから、まあボクにチャンスなんてくれてやるつもりはないよな。
実際、ボクは名前を全く覚えてもらえなかったし。
そんな中、ボクのオヤジ・・・って言ってもホントの父親じゃなくって現地でものすごくボクの面倒を見てくれたJICAの北村さんって人なんだけど、その人が一肌脱いでくれたのよ。
北村さんは現地で空手を教えてるのね。バングラデシュ歴も長いし青年海外協力隊では”北村組”なるものがあったわけよ。
ボクは北村組の”鉄砲玉”。
北村さんは鉄砲玉のボクにもとても優しいのよ。
北村さんは顔の広い人で韓国でテコンドーを教えてる人と食事会を開いてくれたの。外国で生活すると、日本人なら日本人、韓国人なら韓国人のコミュニティが出来るのね。だからテコンドーのその韓国人とモハマダンの監督は繋がってるのよ。そこで北村さんが食事会でボクの顔を繋げてくれたの。
バングラデシュにある韓国料理屋で開かれたんだけどイスラム教では禁止の豚肉がガンガン出てくるのよ。久々の豚肉に胸躍り、日本にいる時のノリでバクバク食ってたの。
・・・半ナマで。
焼き肉はほぼ焼かずにをモットーにしてるボクは、異国に来てもその精神を変えることはなかった。
”その食い方は美味しいかもしれないけどバングラデシュの豚肉はよく焼かないと危ないよ。”
の韓国人の言葉も”ノープロブレム”で一蹴。楽しく食事会は進んでいったの。そこでちょいと感じたんだけど、なんだかんだで韓国人はボクの事を取りはしないだろうと。というか、韓国からわざわざお抱えの選手を連れてきてるのに、知らん日本人は取らんだろうね。
でも、こういう会を開いてくれたことがボクはうれしいの。
その嬉しさは辛さに変わる。
朝を迎える前に。
完全に食中毒・・・
完全に当たったよ。ど真ん中にミートしたよ。
こんなにミートしたら、無回転蹴れるんじゃねえかってくらいミートしたよ。
でも、お腹は超フル回転。食えずにピーピーよ。長渕が歌ってるかのようにピーピー言ってるの。うっすら熱もあったし。
でも、韓国人に意地を見せてやりたかったから、グランドの端っこで吐いたり、練習開始ギリギリまでトイレでしゃがみ込んだりして練習に出たんだよ。
でも、そんなボクの諸事情なんてもちろんお構いなし。”How are you?”には”So fine!!!”って強気なボクにハードな練習が開始されるのよ。
・・・そーですか、今日はウサギ飛びですか将軍様。
少しジャンプするたびに出そうになるのよ。不幸にも体制的にはもろにソレだし。でもボクだっていい大人よ。プライドで洩らすというその行為だけは必死で阻止したよ。その洩らしちゃいかんっていう頑張りがすべてだったの。
最後のデザート。最初の10人までが6周、11人目から7周8周・・・って増えてく持久走ががんばれねえ。力をケツに入れねば、走ることは愚かピクリとも動けない状況に陥ってしまう。
いやぁ、15周走ったね。
最後は監督の”もういいよ”って妥協されるメンバーに入っちゃってたもん。
怖いね、食中毒。
でもね、こんな食中毒はまだ軽かったんだ。
本当の食中毒をボクはこの時まだ知らない。
