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タイ、バングラデシュ、ウガンダとサッカーで渡り歩いてきた日々を振り返ったり最近のボヤキなどを綴ります

11.27.07:22

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10.24.11:57

テストマッチ第3戦 ~タイ~
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地方最終戦。
チームメイトはカタコトの英語でボクに”Final. Final.”って言ってたけどこのFinalってのは決勝戦じゃなくって最後って意味なのはボクにも分った。
だって初戦で負けてるから。

前の試合で得点したボクにチームメイトの期待や応援も高まるのよ。

ウォームアップのボール回しで股抜きをされると着衣を1枚ずつ脱いでいかなきゃいけないタイのボール回しルール。そのルールの中、靴下まで脱がされ、短パン1丁になったサブの更にサブのGK。
試合前に靴下とスパイクをチームメイトに貸しちゃって裸足でベンチに座るDF。
ボクが教えた”チンコ”をバスの中でひたすら復唱するFW。
チームで飼っているモンって犬のチンコを擦って、モンを悶々とさせるMF。

サブのメンバーがみんなボクの応援をしてくれるのよ。
ロクな奴いないけど・・・

今回もスタメンにボクの名前があった。
まかせろ的な感じで構えるボクの顔はなんとなくムカつくものだったんじゃないかな。うん、調子に乗ってカッコつけたかも。

ピッチに入ると、サポーターたちのボクに対する熱も急増。
”IipdeGUGfgUkoIPppifdyhu”
客席から寄せられる声は何言ってるか分からんけど、ニコニコボクに向かって言ってるからポジティブなボクは”ユタカ、がんばれ!今日も点を取ってくれ。”にしか聞こえんのよね。

で、試合前に選手一人一人の名前がアナウンスされるのよ。
この時知ったよ。ホー君とかジップ君とか、みんな短い名前で呼んでたけど、それがあだ名で、もっとちゃんとタイ人っぽい名前があったことを。
”エイカウィット”やら”プラヴィット”とか。
ボクの名前はいつ来るかなぁ・・・

”ヤタカ・アハラー。”

・・・

・・・

なんかイスラム教みたいになってるし。
チームメイトもそれに気づいたみたいでボクの肩を2度ほどポンポンと。

さて、気を取り直してキックオフ。
前回の得点で周りは期待してるから、なんか余計なプレッシャーを感じてしまうよ。

でもさ、神様は腐らなかったボクにご褒美を。
左サイドを突破したボクはセンタリング。これをエースのホーが決めて先制。ボクに1アシストがついて、ホーがボクのところに駆け寄ってきた。
良かった。結果が出せてホントに良かった。

その後も、動きはよくいくつかのチャンスを作ったけどそれを決めきれず、最終的に1-1の引き分けでPK戦へ。
ホーが外して負け。でも、テストマッチだから結果はいいでしょ。

試合後、チームでご飯を食いに行くのよ。ようやく認めてもらったみたいでいつもより色々とみんなが話しかけてくれたよ。

何言ってるか分かんないけど。

で、ボクを受け入れてくれたみんなはボクに色んな食べ物を進めてくれるの。

・・・全部辛えよ。

なんなら試合よりも汗びっしょりね。
それ見てみんな爆笑するのよ。で、笑って笑って最後に辛くない卵焼きを頼んでくれるの。最初から頼んでくれよ。

ふと隣のテーブルに目をやると、汗びっしょりのガーナ人のベンジャミンを見てタイ人、大爆笑。

ベンジャミンと仲良くなったのはこの日を境にしてだね。
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10.23.11:22

テストマッチ第2戦 ~タイ~
  • [CATEGORY:タイ COMMENT:0 TRACKBACK]

テストマッチ第2戦。
場所も時間も前回と同じ。相手は聞いたけどなんてチームか分からない。その3ヶ月後にシンタナっていうタイリーグのチームだったってことが分るんだけど、何せ言葉もまともに喋れない中、”シンタナ”なんて言われても”アーハーン”としか言いようがない。

後半あたりからまた試合に出してくれるかなぁ、なんて期待してたら試合前のミーティグでサプライズが。

”ユタカ、スタメン。トップ下。”

焦るわぁ。
ただのスタメンじゃなく、トップ下ですか。オフェンスの指揮はボクに委ねられたようだ。
この日の布陣は3-5-2。でも1ボランチの2トップ下。ま、手放しでボクだけを頼っていないようで。タイ人なりの保険だろう。ちゃんとボクの相方にはエースを置いてるワケだから。


先週の試合で日本人がいるって分かって、サポーターも応援してくれるのよ。ボクのレベルがどうとかよりも珍しいもんが好きだからね。
そう、ボクは珍しかったらしい。ボクがグランドに入ると今日もジャンジャカジャンジャカ楽器を奏でてくれたよ。

期待にこたえねば。
程よい緊張感の中、試合はスタート。

・・・


正直言って覚えてるプレーは2つだけなんだよ。別に時間が経ってるからとかもう29歳だからとかじゃなくって、無我夢中すぎたんだと思う。試合が終わった後もあまり覚えてなかったもん。このチャンスを掴みたくてね。

キックオフの笛が鳴って、急にドキドキしてきたの。”出来る、出来る”って何回も頭の中で繰り返して。

そして覚えてる1つ目のプレー。センターライン付近にいたボクのところにボールが転がってきたのよ。敵の選手が何人かいたからボクはそのボールをサイドに振ったの。簡単なインサイドだけど、ちゃんとミートしたの。今もあの感覚は覚えてる。

それから10分くらいたったころかな。
右サイドのトン君からクロスボールが来たの。名前忘れちゃったけどFWの奴が競ったボールがゴール前に流れたの。キーパーが前に出てきたんだけど、ボクの方が1歩早く反応して、ヘディングでシュートしたの。

ゆっくり。
ゆっくりとボールがゴールに入っていくのが見えた。

ゆっくりとしたボールがゴールに入っていくのをしっかり見届けて振り向いたらエースのホー君とボランチのジップ君が抱きついてきた。
その時、ボクが自分が点を取ったことを理解したんだよ。

その後のボクのプレーは覚えてないのよ。ただ、サポーターがボクの名前を呼びながらジャンジャカジャンジャカ音楽をかけてたことと、試合が2-1で勝ったこと。
ボクは途中で交代したことは覚えてる。

オーバーかもしれないけど人生を変えるゴールだったと思ってるのよ。あの1点でチームがボクを評価してくれたから。じゃなきゃボクは契約できなかったと思う。
元々、あんまり点を取るタイプの選手じゃないんだけどね。

ここから、ボクのタイ生活は変わっていったんだ。

10.21.11:20

テストマッチ ~タイ~
  • [CATEGORY:タイ COMMENT:0 TRACKBACK]

なんとかタイリーグのチームに潜り込めたボク。
運がよく・・・ってゆーかここまで来れただけども相当運がいいと思うんだけど、更に運がよく、週末に地方で大会があるらしく、それに出させてくれるらしいの。
練習帰りのタクシーで、週末の試合でボクが超活躍するのを想像してたのね。

やべ、ドキドキしてきた。

と、いい意味でテンションの上がった状態に塩を塗るかのように隣にエムが座ってるんだよ。お前はいつまで練習参加するんだよ。ってゆーか60,000円返せよ。
車中はお金の話しかしないよ。

”金を返せよ。”
”もうちょっと待ってくれ。”

”待つってもう1ヶ月くらい待ってるぞ。”
”ユタカに返す金を貸してくれる奴が金を貸してくれないんだよ。”

”・・・”
”アイツがプロブレムなんだよ。”

キレたね。
おめえが1番の問題なんだよっ!!!
とうとうエムに吠えてしまった。そして奴と会うことは2度となかった。
エムは気まずいらしくTabacco FCの練習にも来なくなったんだよ。

と、同時にユタカのプレーがよくなったね。週末の期待大。

そして試合当日。
ボクに与えた集合時間12時。チームの集合時間2時。
遅れても良いようにだって。あのさ、日本人は時間を守るの!守らないのは貴方達タイ人なの!!
おかげでキックオフの4時にはやたらと腹が減った記憶しかないよ。地方の大会って言ってもちゃんとした大会のちゃんとした相手。正確に言うとプレーシーズンマッチを地方でやってるって感じで、その日の相手は去年タイリーグで上位の港湾チーム。ボクは後半の残り10分くらい出してもらったの。なんとフォワードで。

ジャンジャカジャンジャカ太鼓やらラッパの音が鳴り響く中、やっとこの舞台に立てたよ。いや、まだまだなんだけど、でもチームとして出場できたよ。太鼓の音に気を良くし1本スルーパスを出したらスゲエ盛り上がってくれたの。
よし、この勢いで点を取ろう。

センターリングに合わせてヘディングシュート!
キーパーのセービングでバー直撃。

ゴールの匂いが・・・

その後、嗅ぐことは無く試合終了。
0-1で負け。
でも来週もあるらしい。来週はもうちょっと試合に出れるといいな。

10.02.13:00

テスト生 ~タイ~
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ランニング中に知り合ったタイ人”ベス”。
そしてその親父の橋爪功(似)。

彼らがボクにタイリーグのチームを紹介してくれたんだよ。Tabacco FCっていうチーム。Tabacco FCのヘッドコーチと功が友達らしいんだよ。

余談ではありますが・・・
当時はタイリーグってのは昔の日本リーグみたいな感じで思いっきり企業チームが企業の名前で参戦してるのです。
今もそんな雰囲気は残っております。

さて、練習場所と時間を聞いて現地に行くことになったんだけどボク一人で行くなんて、ムズカシヤムズカシヤ・・・
チームはバンコク。ボクが住んでる所は隣のノンタブリー。日本に手紙を書いたときに自分が住んでるティグちゃんの住所を聞いたところバンコクではないことが判明したのね。

そんな県をまたいでの練習参加。タクシーで800円程の距離よ。ティグちゃんが付いてきてくれたんだけどボクには不満が・・・

なんでエムもいるんだろう・・・
おい、お前も練習に参加するのか?

そして・・・

なんで友人中ダントツで1位のバカ、ナガタ(タイ人)もついてくるんだ?
お前は絶対に暇だから遊びについてきてるだろ。

現地についてイヤな予感的中。
ヘッドコーチに挨拶したのね。でもそいつはタイ語しか話せないの。ボクのつたないタイ語で何とか挨拶をすませ練習に参加させてもらったの。ちゃんと功の方からも連絡がいってたからそこまでは問題なかったんだけどね。
そこからよ。
なんかエムも挨拶してるのよ。
ガッツリ握手しちゃってるし。

まずは6万円返せよ。

そうは思ったけどサッカーに集中せねば。
はじめてのプロチームでの練習参加。自然に気持ちも高ぶるわな。

そして運命の出会い。

なんか黒いのがいるのよ。
ガーナ人のベンジャミンンだ。こいつはこれからのタイ生活でボクと深くかかわることになるんだよ。
しかもそこまでいい方向ではない係り合い。
”黒人=ストライカー”と思っていたら大間違い。こいつはおもっきりDF。オーバーヘッドでボールをクリアするような規格の持ち主だった。

初めてのプロチーム
初めての黒人
初めてがベンジャミン。

その日は紅白戦。
やたら体力の落ちてたボクには苦しかったけど、一生懸命頑張りましたよ。これからは毎日がテストだから1日も油断できんね。

とりあえずエムのことは無視して頑張ることを誓いました。

09.12.11:08

急展開の先 ~タイ~
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さてさて、陽気なランナー”ベス”と出会い(正確に言うと一方的に言い寄られたけど)、その父親の橋爪功似のサッカー人を紹介してもらったのね。

でね、橋爪さんの車に乗るとタイ日本スタジアムってところに行くらしい。
でもね、なんか知んないけど病院で1時間ほどグダグダグダグダ・・・・。なにをしてたのかは知らないけど時間にルーズなタイ人らしくスタジアムにつく頃には前半が終わってたんだよ。
ハーフタイムにグランドについてチーム橋爪のメンバーに挨拶したら”よしっ!出ろ!!”だって。

”あのぅ・・・ウォームアップは?”

なんて思っても言わないよ。幸い元来ボクはアップとか嫌いなタイプだし、いきなり試合が出来て超ラッキーってなもんよ。

でも、橋爪さんは大丈夫かな?


・・・なんでだろう?
小太りだからかな?

もう汗かいてるし・・・

ま、ダイジャブだね。


後半開始。
焦るよ。中盤の真ん中で出たんだけど、やたら体力なくてスゲエ疲れるのよ。そりゃそうだ。ちゃんとしたトレーニングなんて出来てなかったから。

しょうがない。フィジカルをメンタルにギアチェンジ。

今度はボールが止められないのよ。日本じゃあんまりいいボールでサッカーしてなかったから、ちゃんとしたスタジアムで良質なボールだとスゲエ気を使わないとトラップでボールが跳ねちゃうのよ。

致し方ない。技術をメンタルにチェンジ。

ま、そんなこと言っても相手も仲間もみんなオッサンよ。なんともなく試合は遂行されるわけだけど、すべてをメンタルに切り替えたこの日本人に、”空気を読む”なんてことはタイ人より出来なくなってるのよ。

・丸っこいオッサンをスピードで置き去り
・シュートを狙って丸っこいオッサンにブチ当てる
・丸っこいオッサンにスライディング

etc...

慣れてきたらそこそこの技術も魅せれたから何とかなったけど、今思うとあの時のみんなにゃホント申し訳ねえ。

試合が終わって橋爪さんと夕食を食べたのね。
”ユタカは技術もあるし、気持ちも強いからきっとタイでプレーできるよ。俺の友達がタイリーグの監督をしてるチームがあるから紹介してやる。”

☆★☆
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ようやく。
ようやく光が見えたよ。
その日は嬉しくて、興奮して、仲間と酒を飲み眠れなかったよ。
まだチームと出会って、契約したわけでもないのにその光が嬉しすぎたのよ。

でもね、橋爪さんが言ってた。
”だけど、あのスライディングは年寄りにはキツイよ。試合中も試合後もすーーっとそのこと言ってたよ。”
だって。しょうがねえな的な感じでボクを見てたね。

なんにせよ、その時、ボクはチャンスを掴みかけている。