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タイ、バングラデシュ、ウガンダとサッカーで渡り歩いてきた日々を振り返ったり最近のボヤキなどを綴ります

11.27.10:50

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11.05.12:59

さよならKCC ~ウガンダ~

あっけなく負けてしまった開幕戦。

http://yutaka14.blog.shinobi.jp/Date/20081020/1/


それからしばらく経つも相変わらずマネージャーは”Tommorow”と”No problem”しか言いやがらねえ。ボクが必要なITCっていう書類をバングラデシュから取り寄せれないらしい。

もうね、タイ、バングラデシュで伸ばされたボクの気も切れちゃったね。
そうだ、サッカー協会に行こう。

ってことでサッカー協会に。
むか~~しにお世話になったオリヴィアの連絡先は盗まれた携帯と一緒にどこかへ行ってしまったから、どうやって行ったら分からなかったけど、確か”FUFA HOUSE”って所の中にあったことを思い出して、黒い人たちに聞きながらようやくたどり着いたのよ。(何度か違うところに行かされたけどね…)

サッカー協会関連のヤツに聞いたのよ。
ボクのITCはいつになったら手に入るのか?って。

驚いたよ。
”そんな話は聞いてねえぞ。”ですって。

嗚呼、ユタカ1歩も動けず。

ちょっとはそうじゃないかって思ってはいたんだよ。もしかしたらマネージャーは、なんも動いてないんじゃないかって。
でも現実を突きつけられると凹むね。

大人になってもこういうことで、人を疑うことを学ぶんだろうね。
まぁ、怪しかったよ。
だって得意のNo probremって言ってる時は完全に白目向いてるんだもん。じゃあ気づけよって話だけど、そこにしがみつくしか道はないんだからしょうがねえべ。

ようやく吹っ切れたよ。

監督のマヤンジャ・ジャクソンのところへ猛ダッシュで駆けより、言ってやったよ。

”あのマネージャーに騙された。俺のITCの要請を全くしてなかったんだよ。もう違うチームを受けるよ。”

意外と、ジャクソンはボクを止めるのよ。

”お前の技術は評価してるんだよ。もうちょっと待っててくれないか。”って。

でも決心は固いよ。
あのマネージャーのもとでやりたくないって言ったら、ジャクソンは本音を漏らしたの。


”日本の車を安く買えない?NISSANとかさ・・・”



サヨナラ・・・
ボク、1から始めるね。

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10.20.12:38

開幕前日 ~ウガンダ~

Tommorowの魔力とマラリアのウィルス、両刺客からの攻撃により八方ふさがりの中、ウガンダリーグ開幕。

首都はカンパラ。
その中心にそびえたつナキブボスタジアム。
ちょっと前までなんかのイベントでゴミだらけでした。

相手は去年のチャンピオンのPolice FC。キックオフは16時だったかな。ちょうどその日、大使館邸で新年会があったから昼間はそこにお邪魔して栄養摂取。時間が来たからナキブボスタジアムに行ったらスタジアムが満員なのよ。客は凄えノリノリなのよ。

その満員の中、オープニングセレモニーが始まったんだよ。タイ、バングラと開幕戦を見てきたけど、ウガンダが1番セレモニーをしてたよ。
各チームが入場して開会宣言みたいのをするのね。


でもね、それって、ウォームアップの後にやるんだよね・・・


冷めちゃうよ、体も気持ちも。
セレモニーが終わってやっとこさ試合だろって思ったら、女の歌手が歌い始めるのよ。いやぁ、盛り上がったね。この空気の中、試合に流れたら熱い試合が期待できるだろうね。

よし、戦え!KCC!!

と、思ったら今度は、あのウガンダで超人気歌手”カメレオン”が歌い始めるのよ。
って言ったって皆さんはカメレオンはご存じないでしょ。彼は、ボクが住んでるラブホテルでボクがマラリアに苦しんでる時に、1階のバーで音楽がガンガン流れてたのね。それがカメレオンの曲、”チ・ペペオ”。意味は蝶々らしい。
そんな思い出のカメレオン。彼がスタジアムで歌いだすのよ。

KYなんて言葉はウガンダにはございません。
1曲でいいのに、3曲も歌いやがった・・・

時計をチェック。
5時・・・

やろうよ、試合。

で、結局1時間ほど遅れて試合が始まったのよ。
開始5分でKCCのディフェンダーが1発退場。前半で0-1とPoliceが1点リード。

KCCは人気チームだから注目もそりゃあ浴びてたさ。だから前情報でKCCに日本人がいることをサポーターは知ってるのよ。ハーフタイムにスタンドから日本人を出せってみんな騒ぐのよ。
って騒ぐのはいいし、ありがたいことだけど、その日本人が誰だかは知らないの。

みんなの隣でマラリアにかかってる日本人がソレなんですけどぉ・・・

言いたいけど分が悪い。
あまりにも分が悪い。

隣に座ってたおっちゃんに関しては”おめえはその日本人を知らねえか?”だって。

”マラリアになったらしいよ。”

ボクが自分に贈る精一杯の護衛。

結局、試合は1-2でPoliceの勝利。KCCは開幕戦を勝利で飾れなかったんだよ。
でも、それより何より1番残念なことは、この日の1番の盛り上がりが、試合ではなくカメレオンのチ・ペペオだったこと。

その日から、ボクのライバルはカメレオンになった。

10.15.13:07

開幕前日 ~ウガンダ~

ボクがマラリアで苦しくても、時は過ぎていくものです。

マラリア中にもうすぐウガンダリーグが開幕しようとしていたのよ。だからってさ。ボク、マラリアじゃん。練習出来てないし、このブログをずーーーっと読んでくれてる人は分かってると思うけど、まだ契約してないのよね。
ボクがKCCのテスト生になれたきっかけとなったマネージャーともう一人マネージャーがいるんだけど、そいつがまたいい加減なヤツなんだよ。で、タチが悪いのがそいつがどうやらメインマネージャーなのよ。

外国からの移籍となるボクはITCっていう国際移籍証明書みたいなもんが必要なんだけど、まだボクにはそれがない。

”ITCはどうなった?”
”No Problem!!!”

No problemの一言でここまで来てしまったんだよね。
しかし胡散臭いのよ。No problemとか言いながら白目向いてるし。ってゆーか何に対してもNo problemで済ますんだよ。”プロブレム”が言う”No Problem”ほど当てにならないもんはないじゃん。
”You are problem.”ボクが何度も言いそうになって飲み込んだ言葉。

日本人が1番使う言葉って”すいません”だって聞いたことがあるの。
ボクの海外生活で1番よく聞く言葉は”Tommrow”と”No problem”。まぁ、”罪”と”罰”みたいなもんかな。

”ビザは?”
”No problem”

”ITCは?”
”No problem”

”給料は?”
”Tommorow”

”給”
”Tommorow”

もうね、顔合わしてHelloの前にいきなりTommrowが出てきた時もあるからね。

でも、ウガンダ人はみんなに平等さ。
とうとう開幕戦前日だってのに、士気と覇気がチームに全くないんだよ。理由はね、噂ですよ、噂。

”マネージャーは給料を払う気ないらしい。”

怖いのはこれがかなりの高確率で噂じゃなく真の未来だということ。奴らはそれをわかってるんだよ。だから練習が終わるときにみんなでマネージャーを囲んだんだよ。

”俺達は給料を払う気のないこのチームでは明日プレーしない。”

団体行動ができない黒人が見せた恐るべき程の統率力。1列に大人しく並ぶことができない彼らが、綺麗な円を作ってマネージャーに迫るのよ。
城が崩れた。”分かった、明日の昼に必ず契約書を交わそう。それが出来なければプレーはしなくていい。約束しよう。”

この言葉でチームメイトは納得したようだ。なにしろ”No problem”を言わなかったんだもん。
だからってハッピーエンドなわけじゃないよ。だってボクは契約に必要なITCがKCCに届いてないだもん。給料の事もそうだけどこの外人の行く末はどうする?今がチャンスとばかりに、マネージャーに詰め寄って聞いたんだよ。

”俺のITCはどうなった?”



”Tommrow”



”・・・”

悲しいかな、すでに黒人たちの統率力は解散されていた。

09.29.10:17

新聞で・・・ ~ウガンダ~

マラリアになるちょっと前のお話。

KCCって向こうじゃ注目度の高いチームなのよ。そんな中日本人が来てるなんて言ったら結構サポーターも見に来るわけ。
それがただフィジカルやってるだけでも。

紅白戦の時なんかはボクのプレーにみんなエールを送ってくれるんだよ。褒められて伸びるタイプのボクは結構伸びたね。
日本も見習って、もっとボクを伸ばしてくれれば今頃ボクも・・・

ある日、練習が終わって時間をチェックしようと携帯を見ようとカバンをあさったのよ。

・・・


・・・

ない。

ただ事じゃない。

携帯がないのよ。

練習の時って荷物をサポーターが座ってるスタンドに置いて練習するわけよ。
完全に盗まれたようだね。

んもう、サポーターに人気がありすぎるってのも考えものよね。


・・・って考えないと涙が出そうになるから。
みんな”お気の毒に”みたいな意味で”Sorry Sorry”って言ってくるんだけど、Sorryにゴメンの意味しか見出せなかった当時のボクはお前がやったのかと、周囲を疑いまくったよ。
ホレ、スパイクくれだの練習着くれだの、挙句の果てにはビザくれまで言われ続けてきたからさ。携帯くらい勝手に持って行くのかなって思っちゃって。

でも、いい事だってあったの。

9eaae679.jpg







次の日に現地の新聞に、こんなにカッコ良く出てたのよ。
小さくて分かりづらいかもしれないけど、コレって英語じゃないから。ルガンダ語ってやつね。

普通読めねーわな。
どんなこと書いてるか気になるじゃん。
だからチームメイトに読んでもらったの。


”ユタカ携帯盗まれる。日本から来たのに残念なことです。”だって。


・・・何も言えねえ。
サッカーは関係なかったね。

チームにいたウガンダ代表のFWの奴がボクによってきたの。ウガンダ人のくせにクールなそいつが珍しくボクに話しかけてきた。”Sorry”なんて言われんのかなって思ってたら。

”その気持ちわかるよ。俺もだから。”

奴もまた盗まれた被害者の一人だったの。
ボク等の距離が急に縮まったね。
盗まれたけどプラスに考えよう。

09.25.13:27

マラリア ~ウガンダ~

とうとう恐れていたマラリアにかかっちゃったよ。
契約する前のこの大事な時期に、1番きっつい病気になっちまった。
ところがどっこい昼間は微熱程度なのよ。そういう病気らしいんだけどね。だから病院に行くのも遅れたの。

お金のないボクはもちろんローカル病院に行っきーの、検査受けーの、”マラリアです”って判決を受けーので、薬を貰うのね。
そしてお金のないボクは薬買うのも辛い訳よ。なかなかいないと思うよ、病院で値切る日本人。
実際、医者に言われたし・・・
はっきり言ってやったよ。”日本人がみんな金持ってると思うな!!”

ウガンダでのボクの心の声が表に出た瞬間だった。

薬を買って、大人しくしてようと思ってはいるけどいかんせんボクはまだ契約を交わせてないじゃん。日中はそんなに熱もないし、ここはウガンダ人どもにサムライスピリッツを見せてやった方がいいと間違った判断をしてしまった。

バングラデシュで食中毒にもかかわらず、ベンガル人どもにサムライスピリッツを見せようとしたため7㌔も痩せてしまい挙句、ウ〇コをちびる結果になってしまったことは忘れていたんだろうね。

”ユタカ、マラリアなんだろ?練習休んでいいよ。”
チームメイトやコーチに言われたけど、アピールするチャンスだって判断ミスをしたんだよね。
”お前らにサムライスピリッツを見せてやる!俺がラストサムライだ。”

”ラストサムライ”の映画を知らない彼らは完全にきょとんだったけど、フィジカルトレーニングをするボクを、みんな笑いながら見てたなぁ。

あのね、そのサムライの姿ときたらそりゃあもう・・・


瀕死ですよ。

もうね、どっちかって言うと落ち武者よ。

なんとか意識が飛ぶ前に練習が終わってくれたのね。
で、帰ってかなりビビったの。トイレでウ〇コしたらさ、超真っ黒なの。毎日黒人見てるボクが驚いたくらいだから本当の黒。絵の具の黒と同じ色だったよ。

無知って怖いね。
それ見て、”薬が効いてるんだ”って思ったの。

次の日、そこらへんに詳しい日本人の人と会えることになったのよ。ボクの体はどうなっちゃうのか聞いてみたの。そのひと先ずボクの薬を見てこう言ったの。

”キニーネじゃん。”

その筋じゃかなり有名な選手らしいぜ。
その人曰く、”キニーネを飲んでるときに運動なんて、死んでもおかしくないよ。”
だそうです。
ボクはおかしかったから死ななかっただけなのかもね。

どうやらこんな事らしい。
ウガンダ人ってのは子供のころからマラリアと接してるのね。だから子供のころからいろんな薬を飲んでるのよ。だから薬に対する免疫も出来てるのね。だからきつい薬を飲んでも大丈夫なんだって。
キニーネってのは1番きつい薬らしいの。ウガンダでも1番マラリアに対して厳しい薬らしいのね。

ボクは野球を始めたばっかのくせにメジャーリーグに行っちゃったらしい。


だからって薬は5日間飲み続けなけりゃいけないのね。もう飲んじまったから飲み続けるしかないらしい。どうやら練習はやっちゃいけないらしい。
もっと早く気付くべきだったね。そんな時にサッカーやっちゃいけないことに。だって地面が揺れて見えたもん。

頑固なユタカも死の前では素直。

普段、そこらへんの日本人に迷惑ばっか掛けてるけど、ボクのこの病気のおかげで、ウガンダのJICA(青年海外協力隊関係)では具合が悪くなった時にはローカル病院には行かないこと!ってのが徹底されたらしい。

はじめて役に立った。