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タイ、バングラデシュ、ウガンダとサッカーで渡り歩いてきた日々を振り返ったり最近のボヤキなどを綴ります

11.27.18:58

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06.06.11:32

初練習? ~ウガンダ~

まず訂正。
ウガンダでのK.C.Cのマネージャーの運転手、ポールって言ったけど、ジョンの間違いでした。ま、ポールでもジョンでも顔の違いはあまり区別つかないんだけどね。

そんな些細な訂正をしましたところで本題。

ジョンのゲストハウス代の支払い待ちの為に、引きこもること数日間。ようやくボクはK.C.Cのサテライトの練習に参加出来ることになったんだ。お金を払いにきたジョンが言うわけよ。
”明日、K.C.Cのサブチームの練習があるから行くぞ。2時に迎えに来るから待ってろ。・・・来る頃、電話するから電話代の5000シリング(約30円)ちょうだい。”

こいつもか。前の文章と後の文章が全く噛み合ってないよね。顔は人、体は犬くらいのミスマッチ。どうやらボクは選手になる前にジョンにとってのマネージャーになれるようだ。とっても出世魚。

ま、いつもはるばるお金を払いに来てくれてるわけだし、練習に参加出来る喜びもあおって5000シリングあげちゃったんだけどね。

そして翌日。
多少はもしかしたらと思ってたんだけど、やっぱりそうだったよ。
ジョンが2時に迎えに来るわけねえ。しかも電話すらねえ。驚くよ、ジョンに電話して電話をくれなかったことを言ったら、”電話代がねえ。”だって。

昨日、あげましたよね?

どうもオリヴィアといいジョンといい、この国の方々は先日の記憶を消去する癖をお持ちらしい。
そしてボクのゲストハウスに到着したジョンはさらに驚く言葉を投げ捨てたんだ。

ユタカ、練習、来週の月曜日になっちゃった・・・

コレは予想以上。
コンチキショー!完全に裏を取られたよ。忘れもしないよ、あの衝撃。だってね、練習は来週の月曜日って言ってるじゃん。

今が、月曜日だからね・・・

おいっ!また1週間引きこもるのか!?
ボクは、その日の夕方、知らないカンパラという街をただひたすら走った。
運転手のくせにいつも酒臭いジョンの匂いや、あの虚ろなジョンの目、タイやバングラの思い出に至り、国の両親の事もすべて振り払うかのように。

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05.20.11:03

とは言え・・・ ~ウガンダ~

K.C.Cのマネージャーに”契約しないか?”なんて言われたものの、所詮、口約束の領域。しかもボクは50%くらいしかそのマネージャーを信用してなかったし。

だってね、”名前は?”って聞いたら”マネージャー”って言うんだもん。

初めて聞いたよ。そんな高貴な名前。
そんな状態なのになんで50%も信じたかって言うと、当時ボクが泊まっていた宿のお金を支払ってくれるって言うから。とにかくお金と、この先のないボクは目の前の宿泊料に目がくらんでしまったわけ。

お金に踊らされる日本人・・・

きっとアフリカ人が持つ日本人のイメージも変わったことでしょう。
でね、その支払い方っていうのが、マネージャーの付き人兼運転手のポールがボクの宿まで届けてくれるって方法。
ゲンキンなもんですよ。

オリヴィアはお金が手に入るから時間通り、いや、むしろ集合時間30分前に来るわけよ。お金を払う立場(正確に言うと払ってるのはマネージャーだけど)の場合、待てど暮らせどなかなか来やしねえ。
ってゆーか、ヘタすりゃ来ねえ。

そんなポールはウィンクしながらよく言うんだよ。
”俺が日本でお前の運転手やってやるよ。”

ぜってー、日本に連れて行ったらアイツは逃げるぞ。

海外生活を振り返ってみても、その頃が1番辛い時期だったかも。”契約”なんて言われても結局オフシーズンだし、その中で、なにもせずに来るかわからない人間を何もない部屋で、ただただ何時間も待つ作業を繰り返す日々。これ、思った以上に辛いよ。

宿なんて言ってもベッドがある小さな窓の付いた箱ですよ。外は何にもない。
ある偉大な方も言っておられたよ。
”テレビもねえ、ラジオもねえ・・・”ホンットになんにもねえの。しかもボクに至ってはあるはずのポールの姿もねえときた。

でも、ポールは言うのよ。お金を持っていくから部屋で待ってろって。
今までは動けばなんとか道は開けたけど今回はベッドの上でじーーーーーっと瞑想のみ。さすがのイケメン(イケてるメンタル)のボクも心折れそうになったよ。

お時間のある方はお試し下さい。
テレビ、ラジオ、音楽を一切付けずに、ただただじーーーーーーっとベッドの上で座って半日~1日。これを試しに1週間。
何かしらの異常が出てくるから。
ちなみにボクの場合は、意味もなく自分の頬をはたくでした。

順調に思えたウガンダも、結局こうだよ。
でも、我慢の甲斐あってポールに連れられてK.C.Cとは別の学生チームと練習ができる事になるんだけど、それに至るまでにボクは何回頬をはっただろう・・・

05.17.11:41

オリヴィアの奇跡② ~ウガンダ~

『SC.VILLAに入る!』
な~んて目標を立てて、サッカー協会に行って紹介してもらえるって約束はしてもらったボク。もうその日はやることがなくなったから、サッカー協会を出て、オリヴィアに連れて行かれるがままに町を練り歩くことに。

マタツと言われる乗り合いのタクシー(ハイエース約15人乗り)に乗り、首都カンパラから少し離れた所に連れて行かれると、屋台にボクを置き去りにしてオリヴィアはどこかに行っちゃったんだよね。
【エリンニャ リャンゲーゼ ユタカ】
【チルンジ オクサンガ】
放置された間に、屋台の娘が独りぼっちの、このアジア人を不憫に思ったのか、現地のルガンダ語ってのを教えてくれたのよ。
【私の名前は豊です。】
【初めまして】
今回、ボクが初めて覚えた現地語。

勤勉なボクが現地語で10まで数えれるようになった頃、オリヴィアは戻ってきた。
”紹介したい人がいるの。”
ウガンダに来て2日目。順応性の高いボクは危険察知能力もかなり麻痺してきたから、もうどこにでも行きますし、誰にでも会いますよ。
で、紹介したい人ってのがビックリよ。なんと、ウガンダでSC.VILLAと人気を3分、4分するって話のK.C.Cってチームのマネージャーだったの。ボクはSC.VILLAの名前しか知らなかったんだけどどうやら、SC.VILLA、K.C.C、Police.SC、EXPRESSが人気があって強いらしい。そのうちの1つ、K.C.Cのマネージャーが目の前にいるじゃないの。

オリヴィアの英語をちゃんと訳せなかったからよくわかんなかったけどオリヴィアの家の誰かの知り合いらしいの。小さい頃、外で遊ぶのが大好きですくすくと素直に育ったボクは何の疑いもなく信じてしまうわけよ。
で、そのマネージャーがボクに言うの。

”うちで契約しないか?”

ボクの実力はどうでもいいらしい。”K.C.C、日本人獲得”なんてことになったらビッグクラブですもの、注目はされますわな。昔の人面魚みたいなもんよ。みんなこぞって見に来るさ。入っちゃえばこっちのもんじゃん。頑張って結果を出せば、客寄せだけじゃないって思われるし、結局、外人なんだから結果を出し続けないとクビになるわけだし。

ってゆーかオリヴィア!
そんな人知ってるなら、サッカー協会で”SC.VILLA紹介して”なんて言う前にK.C.Cのマネージャーに会わせてよ。

『SC.VILLAに入る!』と大きく書かれた目標。
いきなり変更・・・

ボク、K.C.Cでガンバリマスッ!!!

気分が良くなったボク、つられて気分がよくなったオリヴィアにまたまた連れまわされる。そのK.C.Cのマネージャーの車を借りて、ドライブに連れて行ってくれるんだって。
”ムニョニョ湖に行きましょ。”

ハッと我に返った。
こんな簡単に車に乗っちゃっていいのかな?なんだかんだ言ってもオリヴィアとは昨日知り合ったばかりの関係。しかも、ムニョニョだぁ?今度お話しするけど、バングラデシュで拳銃を突きつけられた思い出が奇麗にフラッシュバック。

現実はそれよりも恐ろしかった。

ムニョニョ湖でオリヴィアのお母さんと会いました。

ねえ、オリヴィア。
昨日ボクに言ったよね。
”お母さんが病気だから30000シリングちょうだい。”って。
お母さんメチャクチャ元気じゃない。
確かにムニョニョ湖は奇麗だったよ。記念に写真まで撮ったよ。
お母さん、ボクの写真に入ってこようとしないで。

全ての用事が終わりボクの宿に着いたのは夕方。もちろんオリヴィアも一緒だ。
帰りの挨拶はコレだ。

”お父さんが病気なの。50000シリングちょうだい。”
今日もハグしてキスして帰っていくオリヴィア。

彼女とはそれ以来、会ってない。

05.16.11:03

オリヴィアの奇跡① ~ウガンダ~

【この前の日記も読むと話が繋がります】

ボクっていう、いいカモを見つけたオリヴィア。
”明日の朝、8時にゲストハウスに迎えに来るね。”
そう言い残して、ボクの宿から暗闇に消えて行ったんだけど、ボクはとても心配だった。何がって、黒人は時間通りにやってこないから。
そして下手すりゃ来ないから。

いやぁ、金のチカラって怖いよね。オリヴィアは30分前にボクの宿に到着。まだ、うっすら寝ていたボクは寝込みを襲われた感覚にとらわれたよね。

そんなオリヴィアはサッカー協会があると言われるFUFA HOUSEとやらにボクを連れて行ってくれた。もちろん、ボクが支払う事になる、一般のウガンダ人が食べないようなちょっと豪華な朝メシを食べた後に。
ボクは前の日の夜に、ウガンダリーグとやらの情報を少しだけ聞き込んでたの。街の情報だとSC.VILLAってチームが有名らしい。今の日本で言うと浦和レッズみたいな強豪で、チームは結構金持らしい。

当時、つけていたボクの日記には大きく書かれていた。

『SC.VILLAに入る!!!』

大きく決意表明をし、そして自身もあった。

で、FUFA HOUSE(以後サッカー協会)で、お偉いさんと思われる人に会うことができて、お願いをしたんだ。
”SC.VILLAを紹介してください。この国でサッカーがしたいんです。絶対、この国のサッカーを盛り上げますから。”
毎度毎度、思うんだけど根拠もなくよく言ったもんだ。ま、ウガンダでは黒人しか、リーグに参加してないらしいから、アジア人が1人入ったら物珍しくて結構、注目してくれるだろうとは思ったけどね。

ウガンダっていい国だよね。
あっさりVILLAを紹介してくれるって言ってくれた。でも、またまた例のアレですわ。

・・・ただいま、オフシーズン。

クリスチャンの多いウガンダでクリスマスは一緒に盛り上がりたくて、友達のウガンダ人の言うことなんてお構いなしで来ちゃったの。そこらへんの経緯はそのうち話すけど、クリスマス前は、みんな休みたいんだよ。しかもその後は正月。
ウガンダ人のサッカー選手が活動してるわけないよね・・・

有名チームとて例外ではなく、完全休暇。今度紹介してくれるんだって。

また来いって言われたから指定のあった日にまた行くことにして、その日はオリヴィアに連れまわされることになるんだけど、長くなるからまた次回。

つづく

05.13.12:40

まずは宿探し ~ウガンダ~

空港から恐怖を克服し、なんとか首都のカンパラに辿り着いたボク。下ろされた場所がどこかなんて分かるわけないじゃん。だって、”カンパラに着いたぞ”って言われて降りただけだもん。
”俺んち、神奈川だから遊びにきて。”なんて言われてその”俺んち”になんか着かないでしょ。下ろされた指定の”カンパラ”、範囲広すぎよ。

早くもこの日、2度目の呆然。
鼻をかまれたティッシュの如く、ボクは赤土の広がるその”カンパラのどこか”に立ち尽くしてたんだ。しかも、スーツケースを抱え込みながら。

捨てる紙あれば拾う神あり。
そんなティッシュなボクに一人の女性が声をかけてくれたんだ。彼女はオリヴィア。親切な彼女はボクの宿を探して、更にサッカー協会らしきところまで連れて行ってくれるんだって。
ん~もう、黒人大好き。

いや、ボクだって思いっきり気づいてはいたよ。
ぜってー、ボクの金目当てだって。でもさ、広大な赤土に一人放っておかれたら多少お金持っていかれてもすがるしかないって思うよ。ましてや日が暮れかけてるんだもん。
殴った後は優しくなるからって、彼と別れられない女性とは違うよ。分かっててそこに突っ込んだんだからね。

赤い夕陽に赤土。
夜になれば暗闇に黒人。
時間は刻一刻となくなってくるんだ。頼んだ、オリヴィア!あったかいお布団を提供してくれ。

スーツケースを抱え、町中を闊歩し、スーツケースを抱え、バイクタクシーに乗り、ようやく『地球の歩き方』に載ってるカンパラのゲストハウスを見つけたよ。

地球の歩き方、嘘ばっかり。
ゲストハウス情報”オーナーは日本好き”満室の一言で冷たくあしらわれちゃった。速攻ですよ、速効。

それでもオリヴィアはボクの為に何軒かのゲストハウスを一緒に探してくれたのよ。
そして、4軒目にしてようやくゲット。ゆっくり休みたかったのにボクを外に連れ出すオリヴィア。機嫌を損ねたらサッカー協会に連れて行ってもらえないと思ったから、渋々ついていったら、携帯電話屋さんに。

”これで連絡がいつでも取れるわ。”

もしかして、ずーーーーっと一緒なの!?
友達いないし、携帯いらないんだけどなぁ・・・

強制的に携帯電話購入。
150000シリングですよ。スゴクない?150000ですよ。
・・・ま、実際は90㌦くらいなんだけどさ。初日に急に150000なんて言われると怯んじゃうよね。

携帯を買って、オリヴィアとボクのゲストハウスに帰宅。明日、サッカー協会に連れて行ってあげるって言われたの。で、その後、予想通りのソレがやってきたの。

”ユタカ、私のお母さん病気なの。30000シリングちょうだい。今日、ユタカについて色々まわったから、仕事ができなくて・・・”

・・・きっと明日もお金取られるんだろうなぁ。
・・・絶対、お母さん元気だろうなぁ。

でも、今、ボクが頼れるのはここしかないのよ。あえて騙し取られようじゃないか。
幸か不幸か、その時はまだ、この国の物価がよくわかってなかったんだ。プロ選手になれるならと、お金を払う方向で進んで行こうじゃないの。

帰り際に、ボクからお金を受け取ったオリヴィアは、ボクにキスして帰って行ったんだ。

”プラマイ、0だな”って思いながら、ちょっと明日が楽しくなったボクでした。