11.27.10:34
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07.29.12:34
パンツ ~バングラデシュ~
なんて完全にヘンタイのご質問で。
いやね、そうじゃなくってサッカーの時に何履いてるかなって質問よ。
ボクが高校の時はブリーフが主流だったのよ。で、試合の時はスパッツかな。
でも、短パンによっては既にインナー(パンツ)がくっついてるタイプのもあるでしょ。あと、稀にスパッツの中にパンツを履く人もいたな。
さてさて、所変わりましてタイランド。
ここはブリーフが主流のようね。みんな普段からブリーフ派が多いみたいだったし。水着を着た女子かの如く、ちょっとしたお尻への食い込みを両人差し指で直してた時は、なんとなくだけど、”おいっ”って突っ込んじゃたけど。
どういう理由でそれを履いてたかは知らないけど、そのブリーフが完全に女モノだったDFのサダはみんなにバカにされてたなぁ。
薄ピンクのベースで正面にちっちゃなリボンが付いてんだもん。
もしかしてそれでタイリーグを戦ってたのかな?
そして前フリが長くなったけど本題のバングラデシュでのお話。
1度だけ向こうでチームの寮に入って生活してたことがあったんだ。小汚い所で日本で言うところのプライバシーなんてもんが一切ない生活だったね。
ま、それは違う機会に話すとしよう。
海外生活って暇なんだよね。しかも寮に入っちゃうと1人で大熱唱とかも出来ねえし、持ってた日本の週刊誌をひたすら読むしかねえのよ。
で、そんな時、仲良くしてた奴がちょいと街へ出ようなんて誘ってきたわけよ。暇だったしそいつに付き合って街へ繰り出すと他のチームメイトもぞろぞろ付いてくるのよ。
団体行動が出来ない人種の癖に団体で動こうとするコイツ等は、完全に淋しがり屋なのよ。一緒に歩いてるとスゲエ距離縮めてくるし。その割には試合中には相手との間合いを全く詰めないし。もうね、ダメなの。全くダメなの。
スゴク嫌なのが、道を渡るときに手を繋いでくるんだよ。ボクだっていい大人の男よ。1人で渡れるっちゅーの。
んでよ、百歩譲るよ。譲った上で手を握られよう。
・・・渡ったら手を話せよ。
何回、頭かく振りして振りほどいたことか。
周りから見たらボクはスゲエ頭のかゆい奴なんだろうね。
さてさてさてさて、ボクが8回ほど頭をかいた頃に街にも着きまして。
露店がやたらと並んでるわけよ。食べ物やら衣服やら、どうでもいい玩具まで所狭しと露店であふれてるわけよ。
ふと横を見るとチームメイトが数人、1つの露店の前に立ってるわけよ。
パンツ屋さんなのよソレが。
サッカーやってる人には分かると思うけど、ソックスとパンツって結構な消耗品なのよ。たくさんあって損はしないもんなのね。そして個人によってだけどピッチリ締めてもらった方がありがたい人もいるのよ。
露店の前のソイツ等はピッチリ締めてもらいたい派だったんだね。
完全にそのパンツ屋さん、女性用なのよ・・・
女もんのパンツをマジ品定めのサッカー選手・・・
女もんのパンツを手に取りマジ品定めのベテランサッカー選手・・・
正確に表現すると、
女もんのパンツをあさるオッサン。
完全にド変体ですわ。
”ユタカ、お前もいるか?奢ってやるぞ。”
ボク、女もんの下着を奢ってもらうなんて、初めて聞いたフレーズだよ。高校の時の合宿で、女子風呂を覗きに行った先輩が”女子風呂奢ってやる”って言ったあの時くらいの、初めてだったよ。
治外法権なんて言葉も頭の片隅にあったけど、こいつらと一緒になりたくないっていうのが第一で、ボクはその場を去って、1人寂しく、心虚しく寮に帰って行ったんだ。
07.22.12:22
ホルタル ~バングラデシュ~
知ってる人はベンガル人かと思われます。
バングラデシュは月に1回ほどホルタルっていうデモ行進的なもんがあるのよ。分かり易く言うと、ちっちゃな暴動だね。なんでそんなことしてるのかは分からない・・・正確に言うと説明を受けたけど、理解できなかったんだけど、とにかく暴れまくるのよ。知り合いの家のテレビニュースで現地の様子が映ってるんだけど、なんかね、バスとか車が燃やされたりしてるのよ。
でも、ホルタルって言うのは前もっていつやるか分かるから、基本的に日本人には通達が来るのよ。”明日ホルタルだから外に出ないように!”
残念。
ボクのところに連絡来ず。
どうやら日本人として認められていないようね。
いや、でも心の優しい日本人の人がボクに教えてくれるから大丈夫なんだよ。あと、ボクが寄生してた三田さんの家の付近はそこまで暴動が起きないし。危ないのは町の中心なのよ。
でもね、”明日ホルタルらしいよ”なんて三田さんに教えられても、ボクには練習があるのよ。青年海外協力隊の皆さんは【自宅待機命令】が出されるんだけど、ボクがチームから出されるのは【明日の練習には遅れるな】という死刑宣告に近いモノだった。
ホルタルのルールとして、”人力車だけは攻撃しちゃいけない”みたいなもんがあるらしいの。仕事にどうしても行かなきゃいけない人たちに交通手段を残しておいてあげたらしい。
なんか激しいのか優しいのかよく分らないツンデレの走りだね、あのルールは。
ボクはそのルールを信じて、人力車を捕まえて町の中心部に向かうのでした。
・・・町の中心部。
すげえ暴れてたよ。
なんか怖えから必死に存在がバレないように、顔を隠しながら練習に向かったんだ。
それが毎月1度。
この国でサッカーをするための壁。
06.30.12:02
試練 ~バングラデシュ~
現地ビッグクラブのモハマダンFCでテスト生。
チームの監督は韓国人。母国から選手を2名連れてきてる。
こんな状況。
韓国人の監督からしてみれば、日本人選手なんて知ったこっちゃねえって話よ。外国人枠ってもんがある中、既に外国人は監督が連れてきてるわけだから、まあボクにチャンスなんてくれてやるつもりはないよな。
実際、ボクは名前を全く覚えてもらえなかったし。
そんな中、ボクのオヤジ・・・って言ってもホントの父親じゃなくって現地でものすごくボクの面倒を見てくれたJICAの北村さんって人なんだけど、その人が一肌脱いでくれたのよ。
北村さんは現地で空手を教えてるのね。バングラデシュ歴も長いし青年海外協力隊では”北村組”なるものがあったわけよ。
ボクは北村組の”鉄砲玉”。
北村さんは鉄砲玉のボクにもとても優しいのよ。
北村さんは顔の広い人で韓国でテコンドーを教えてる人と食事会を開いてくれたの。外国で生活すると、日本人なら日本人、韓国人なら韓国人のコミュニティが出来るのね。だからテコンドーのその韓国人とモハマダンの監督は繋がってるのよ。そこで北村さんが食事会でボクの顔を繋げてくれたの。
バングラデシュにある韓国料理屋で開かれたんだけどイスラム教では禁止の豚肉がガンガン出てくるのよ。久々の豚肉に胸躍り、日本にいる時のノリでバクバク食ってたの。
・・・半ナマで。
焼き肉はほぼ焼かずにをモットーにしてるボクは、異国に来てもその精神を変えることはなかった。
”その食い方は美味しいかもしれないけどバングラデシュの豚肉はよく焼かないと危ないよ。”
の韓国人の言葉も”ノープロブレム”で一蹴。楽しく食事会は進んでいったの。そこでちょいと感じたんだけど、なんだかんだで韓国人はボクの事を取りはしないだろうと。というか、韓国からわざわざお抱えの選手を連れてきてるのに、知らん日本人は取らんだろうね。
でも、こういう会を開いてくれたことがボクはうれしいの。
その嬉しさは辛さに変わる。
朝を迎える前に。
完全に食中毒・・・
完全に当たったよ。ど真ん中にミートしたよ。
こんなにミートしたら、無回転蹴れるんじゃねえかってくらいミートしたよ。
でも、お腹は超フル回転。食えずにピーピーよ。長渕が歌ってるかのようにピーピー言ってるの。うっすら熱もあったし。
でも、韓国人に意地を見せてやりたかったから、グランドの端っこで吐いたり、練習開始ギリギリまでトイレでしゃがみ込んだりして練習に出たんだよ。
でも、そんなボクの諸事情なんてもちろんお構いなし。”How are you?”には”So fine!!!”って強気なボクにハードな練習が開始されるのよ。
・・・そーですか、今日はウサギ飛びですか将軍様。
少しジャンプするたびに出そうになるのよ。不幸にも体制的にはもろにソレだし。でもボクだっていい大人よ。プライドで洩らすというその行為だけは必死で阻止したよ。その洩らしちゃいかんっていう頑張りがすべてだったの。
最後のデザート。最初の10人までが6周、11人目から7周8周・・・って増えてく持久走ががんばれねえ。力をケツに入れねば、走ることは愚かピクリとも動けない状況に陥ってしまう。
いやぁ、15周走ったね。
最後は監督の”もういいよ”って妥協されるメンバーに入っちゃってたもん。
怖いね、食中毒。
でもね、こんな食中毒はまだ軽かったんだ。
本当の食中毒をボクはこの時まだ知らない。
06.26.11:43
フィジカルトレーニング ~バングラデシュ~
だから別に虎舞竜ともジョージともまったく関係のないものだよ。早かった奴の名前は譲二だったけど。
”今日、何?”
”ロードらしいです。”
なんて後輩から聞くとなんかソイツに腹が立ったもんよ。
いつも思ってたの。サッカー部って、今日走りかぁとか煙たい顔するのね。でも陸上部って毎日がこんなんだもんな。きっと何か大事なものを失ってるんだろうなって。
時は流れてバングラデシュ。
ロードが可愛く思えたよ。あの韓国人監督のフィジカルトレーニングはロードなんてハイキングみたいなもんよ。
まずね、グランドを走るんだけど、なんかね、ひたすらダッシュなの。ピッチのタッチラインをダッシュ、ストップ、ダッシュ、ストップの繰り返し。ちなみにダッシュの距離はタッチライン沿いだから、110mと60mくらいかな。それまで色んなフィジカルトレーニングってのをやってきたけど、ここでのフィジカルトレーニングの良いところは、メニューの分かりやすさだけだったよ。
ここまでダッシュでここでボール触って・・・とか全くなし。ひたすら長いのと短いのをダッシュ。
コレ、30分ほどやるじゃん。で、その頃気づくの。
”もしかして、これアップ???”
大正解。
よーく考えたらあんまりストレッチとかやってなかったもんね。
そのアップが終わってからようやく本番が始まるのよ。
またまたグランドのライン沿いに立つのね。今度は25人ぐらいが1列に並んで。
・・・馬跳びでライン沿いをグルグルグルグルグルグルグルグル。25人くらいを跳んで馬になって、また跳んで馬になっての繰り返し。
この時の監督(韓国人)の特徴としては1つの種目が長えのよ。
なんか、ソイツ(韓国人監督)が連れてきた選手(韓国人)ごと腹立ってきたもん。
でも、韓国じゃこんなの当たり前なのかなとか思ってたら、瀕死の顔で”クレイジー、クレイジー”って英語でアピールしてたもん。
まるで韓国がこうな訳じゃないと言わんばかりに。
隣のベンガル人に至っては”アッラー、アッラー”ってイスラムの神に祈る始末。
そういうお国です。
馬跳びが終わったら次は手押し車よ。
日本じゃエコカーやら電気自動車の開発が進んでる中、手押し車ですよ。手押し車で50mほど進むの。あのね、手押し車って手で歩く方は勿論だけど、サポート役もかなりしんどいからね。インターバルとって200mも進んだら両腕ガックガクよ。
燃費悪すぎよ、この車。
人類は進化した。
この次のメニューで手押し車から肩車になった。担いで走るらしいよ。多少燃費のいい車に変わったところで、1つの種目が長えんだって。手押し車に肩車よ。
しんどいから、もう1回言ってやる。
日本じゃエコカーやら電気自動車の開発が進んでるぞ。
もうね、無気力よ。無気力。
ただ、終わってくれるのを待つばかり。ひたすら感情をなくし体を動かす作業。
隣のベンガル人に至っては”アッラー”って口は動けど声が出ない。
神に届かず。
それを見たイケメンの方の韓国人選手が”おい、アッラー、大丈夫か。”だって。
名前を知らなかったから口ずさんでるアッラーを名前にしちゃったんだろうね。
なんか、彼がアラーの神であるかのようだよね。その神は声を出すことも出来ず、口がパクパクしてるだけ。落ちぶれた神の姿か。
なんにでもデザートってもんが付いてくる。
最後はグランド6周。
ただの6周じゃないよ。1位から10位までが6周。11位は7周、12位は8周って順位が遅れるごとに1周増えていくの。
幸いボクには大和魂ってものがあったらしく、その大和魂は数人のアラーの神を上回った。真っ青になりながら6周で済んだよ。10位11位争いは白熱よ。なんとか6周で終わりたいから。
でも12位に関しては8周走るつもりでスピード落としてるしね。
そして、イケメン韓国人に心配されてたアッラーはと言いますと・・・
後方で疲れ果てちゃって、ほぼウォーキングに切り替わってたよね。
神のようにアッラーと呼ばれた男は本当に天に上るかのような疲れ具合だったね。アッラーって神の名を呼ぶこともできずに。
ボクはあそこで考え方が変わったよ。フィジカルトレーニングはフィジカルのトレーニングじゃないなって。あれはメンタルのトレーニングだって。
05.31.14:09
韓国人監督 ~バングラデシュ~
世界にゃ色んなサッカークラブがございまして、外国人監督がブラジル人なら外国人選手にはブラジル人、ドイツ人ならドイツ人。
こんな風に外国人監督が母国の有能な選手を連れてくるなんてことはよくあることだよね。特にブラジルでその傾向がよく見られる気がする。
ま、そうした方が言葉も通じるし、育ってきたサッカー環境も分かってるし、母国でのキャリアも分かってるから計算が立つんだろうね。
ボクがテスト生として練習参加させてもらえることになった『モハマダンFC』は韓国人の監督を呼んでいたんだよ。下町で育って賭け事が好きな韓国人の監督(勝手なイメージ)。
ソイツが母国の選手を2人連れてきてたんだよね。
1人は甘いマスクの韓国人って感じのアンジョンファンのような顔立ちの選手。
もう1人は残念な側の、いかにも韓国人って感じの下駄みたいな顔立ちの若手。
いきなりピンチだよね。
当時、試合に出れる外国人枠は2人って言われてたから、ほぼソレで決まりじゃん。ジャパニ(日本人)の入る好きなんて全くないよね。しかも、監督さんは昔の人だから日本を嫌ってる感もあるのよ。
”明日はいい日”
毎日そう思ってるボクはなんとかなるんじゃないかなって思って真面目に練習に参加したんだ。実際、勘違いが得意だから2人の韓国人に勝てるって思ってたし。
でもね、
練習、
チョーきついんだから。
韓国さんったら、オフシーズン明けだからってすんげえ走るの。
”科学”という言葉がブラジルの位置だとしたら、彼らのトレーニングは、ほぼ裏っ側のやはり韓国の位置にある”根性”だったよ。
5人1組になって1人が大の字に横たわって4人で手・手・足・足を持って10m程先の線までダッシュ。そこまで行ったらみんなで元の位置に戻って次の奴が横たわって、また4人で手・手・足・足を持って10m程ダッシュ。
負荷をつけるために何をするにもすぐに人を担ぐの。
大の字になり運ばれるサッカー選手。
工事現場の砂袋のように抱えられたサッカー選手。
大人になって肩車をするサッカー選手。
下駄のような顔でスパイクを履きウサギ跳びをする韓国人選手。
やりながらボクは、韓国の軍人の映画を思い出していた。
そしてこの練習が終われば南北が統一されると信じて疑わなかった。
ボクの中で監督が将軍様に変わってしまったんだ。
腕はボロボロ、足はガクガク、何故かお腹はピーピー。
練習後、完全に疲れきってしまったボクは”よろこべない組”ですわ。
流石はビッグクラブ、代表選手も何人も抱えてるのよ。その代表選手の1人、ファイサルは練習後、体育座りしたまま動けなかった。どうやらこのジャパニ(日本人)よりベンガル人の方が体力はないらしく、”よろ〇び組”とはほど遠く、ボクの位置も通り越して”笑えない組”になり下がっていたよ。
・・・
・・・
・・・
・・・
オェーー。ゲェェェ・・・。
ファイサル、吐きだしたね。
見るも無残なその光景に思わず笑ってしまったよ。
良かったね、ファイサル。
見る分には”よろ〇び組”だよ。
当時日本では韓流ブームの2年目か3年目といったところか。
遅ればせながら、体験。